2012.05.18 生保大手 来店型店舗を加速

生保大手 来店型店舗を加速

 生命保険大手4社が来店型店舗の展開を加速している。4月末現在の店舗数は
計184店で、2008年3月末の64店から3倍近くに増えた。国内市場が縮
小する中、消費者が気楽に立ち寄れる店舗を足がかりに、契約獲得につなげたい
考えだ。

 各社の営業体制は営業員による職場や家庭への訪問が主流だが、企業の情報管
理やマンションのセキュリティー強化により「お客さまに会いづらくなっている」
(業界関係者)。そこで、各社は駅前や大型商業施設に店舗を設け、消費者との
接触を図っている。

 第一生命保険は4月だけで計15店舗を出店。「5~10年後には新規契約の
1割を稼げるチャンネルとして育てていきたい」(同社)と、攻勢をかける。

 08年度に全都道府県を“制覇”した日本生命保険は2月、JR東京駅近くの
店舗内に、フリースペースを新設。高速無線LANの接続環境を整えるなど、来
店客の誘致を強化している。

 明治安田生命保険と住友生命保険は自社商品のみを扱う直営型と乗り合い型を
展開。直営型は保険契約を検討中の来店者が多く、「約半分が成約に結びつく」
(明治安田)など、好調だ。一方、他社商品も扱う乗り合い型は競争が激しい。
それでも住友生命は「消費者のニーズを収集し、商品開発やサービス向上に活用
できる」として、今後も関西地区を中心に出店を計画している。

(フジサンケイ ビジネスアイ)

2012.05.07 大手生保、来店型店舗の展開加速 1年で28%増

大手生保、来店型店舗の展開加速 1年で28%増

 大手生命保険4社が、保険商品に関する個人の相談に応じる拠点「来店型店舗」
の展開を加速している。首都圏の駅前や大型ショッピングセンターを中心に出店
を続け、2012年3月末の店舗数は166店と前年同月比28%増えた。4年前の2.6倍
の水準。家庭のプライバシー意識の高まりなどで伝統的な訪問販売が難しくなる
なか、新型店舗を通じて顧客との接点を確保、販売強化につなげる考えだ。

 日本、第一、明治安田、住友の大手4社の店舗数を集計した。店舗はカウンタ
ーに担当者が常駐し、来店した客の相談に応じて保険商品を提案しており、明治
安田と住友は他社の保険商品も取り扱っている。

 各社の店舗はこれまで首都圏が中心だったが、4月には明治安田が愛知県や大
阪府に出すなど出店範囲を少しずつ広げている。第一は「早ければ5年後にも、
新型店舗を含む直販で新規契約の約1割をとりたい」としている。

 大手生保各社が新型店舗の整備を急ぐのは、オフィスや家庭に営業職員が訪問
しにくくなっている背景がある。日生や明治安田の一部店舗では無料で使える休
憩スペースを店内に設けるなどの工夫もしている。

 ただ近年は「ほけんの窓口」など、中立性をうたう独立業者も拠点を拡大して
おり、大手生保との競争も一段と激しくなりそうだ。

(日経新聞)

2012.04.16 金融庁も怒り心頭! ごまかしだらけの保険販売

金融庁も怒り心頭! ごまかしだらけの保険販売

 昨年末から今年にかけて、金融庁が生命保険会社各社に対し、保険の募集文書
の一斉検証を指示、報告を求めていたことが本誌の取材でわかった。

 これは保険の販売をめぐって再三に渡る指導を受けながら、苦情が一向に減ら
ないことを金融庁が問題視したことが背景にある。なかでもターゲットになった
のは、医療保険とがん保険だった。

■ 数万件に上る募集文書の点検指示に震え上がる生保

 それは、国会で発せられた1つの質問から始まった。

「誇大広告がないかどうかをどのように見ているのか。広告規制を強化すべきで
はないか」

 昨年10月末に開かれた衆議院の財務金融委員会。質問に立った自民党のあべ俊
子議員は、中塚一宏金融担当副大臣を問いただした。医療保険の募集広告があま
りに誇大で、消費者の誤解を招いているのではないかとの趣旨だった。

 それから2ヵ月後、金融庁が動く。生命保険各社に対し、保険募集のパンフレッ
トや広告の一斉検証を指示、今年2月までに報告するよう求めたのだ。さらには、
報告に偽りがないか、金融庁自身がチェックする旨も通告。保険各社は震え上がっ
た。

 金融庁がかくも強硬な姿勢を打ち出すのには理由がある。実は募集文書をめぐっ
ては、以前から誇大にならないよう指導がなされ、2006年には厚生労働省保険局
長名で保険会社に要請までした経緯があるからだ。

 にもかかわらず、金融庁などの元には、苦情が相変わらず寄せられている。そ
うした折に政治家からの質問を浴び、金融庁も腰を上げたというわけだ。

 しかし、保険会社にとってはたまったものではない。というのも、大手ともな
れば募集文書は数万件に上る。それを1件1件、しらみつぶしに点検し、問題があ
れば解消しなくてはならないからだ。

 しかも、新年度の募集文書はすでに刷り上がっている段階で、各社は該当する
ページを刷り直したり、問題の部分にシールを貼ったりと対応に大わらわ。

「今年2月半ばまで、他の仕事はすべてキャンセルして対応に当たった。忙しさ
は、05年ごろに表面化した保険金不払い問題の比ではなかった」と大手保険会社
の幹部は明かす。

■ 高額療養費制度で実は少ない自己負担

 今回、金融庁がターゲットにしたのは、この5年間で合わせて100万件あまりと
右肩上がりで増加している医療保険とがん保険。中でも、「高額療養費制度」と
「先進医療」に関する記述の2つだ。

 どの保険会社のパンフレットにも、「入院したら多額の費用がかかります」な
どとした上で、「もしもの備えは万全ですか」と、保険の必要性を訴えている。

 しかしこうした記述は、確かに一面では事実であるものの、別の側面から見れ
ばクロに近いグレーな表現である。たとえば、長期入院などで医療費が膨れ上がっ
たとしても、自己負担する金額は実はそこまで大きくないからだ。

 これは、高額療養費制度というもののおかげ。医療機関に支払う医療費が、所
得に応じて決められた一定額を超えたら、超過分の一部が払い戻されるという制
度だ。

 たとえば40歳の会社員(標準報酬月額が53万円未満)が入院し、その月にかかっ
た医療費が100万円だった場合、7割の70万円は公的な医療保険でカバーされるも
のの、残り30万円は窓口で支払わなければならない。

 だが、このうち21万2570円は、後に健康保険組合から払い戻される。つまり、
実質的な自己負担は8万7430円にすぎないのだ。

 さらに健康保険組合などの「付加給付」と呼ばれる払い戻しの上乗せ制度を使
えば、2万~5万円程度で済んでしまうのだ。

 今では、入院前にあらかじめ健保に申請し、手続きさえ取っていれば、初めか
ら払い戻し分を差し引いた最終的な自己負担分だけを支払えばよくなった。4月か
らは外来受診に関しても同様で、費用負担は軽減されている。

 こうした仕組みがあるにもかかわらず、パンフレットには小さな文字で、目立
たないようにしか書かれていないのだ。

■ 募集パンフレットには数字のマジックが満載

 こうした事情は、「先進医療特約」についても同じだ。

 先進医療とは、厚生労働省により承認された高度な医療技術のことで、がんに
対する「陽子線治療」や「重粒子線治療」などが知られている。

 こうした治療は健康保険の適用外で、中には技術料が300万円程度もするものも
ある。そこでパンフレットには、「先進医療は高額になりがちです」などと書か
れている。

 しかし、詳細は後述するが、300万円もする治療は123種類もある先進医療のう
ち、ほんのわずか。そもそもそうした高額治療を実際に受ける人もそこまで多く
はない。

 確かに、「高額になる」とは断言していない。とはいえ、文言の周辺に高額治
療だけピックアップした図表を掲載していることを考えれば意図は明白で、消費
者が誤解してもおかしくない。

 こうした事例は枚挙にいとまがない。

 たとえば、「死因の3割ががん」で、「いまや2人に1人ががんにかかる」との表
現。その上で、入院時の自己負担は多額で、医療費以外にも差額ベッド代や病院
までの交通費なども必要になるとし、先進医療まで加えればさらに高額になって
しまうと訴えている。

 しかし、がんにかかる割合が高くなるのはあくまでも50歳以上で、若いうちに
がん保険などに入る必要性は薄い。

 費用に関しても、前述の通り高額療養費制度があるのでたいしたことはないし、
差額ベッドなどは利用しなければいいだけの話。入院時の日用品だって、自宅で
使っているものを持っていけば済む。

 また入っている保険によっては給付に制限がある場合もあり、入院や治療で支
払ったお金すべてが保険で賄えるわけでもない。

 つまり、保険の募集文書は数字のマジックと、巧みな言葉のレトリックが満載
で、真実を伝えているとは言い難いのだ。

 だが、消費者がこうした点を見抜くのは至難の業。消費者の相談に乗るファイ
ナンシャルプランナーでさえも理解できていない人が少なくない。

 しかも、保険商品は極めて複雑怪奇に設計されており、パンフレットを詳細に
見てもその全貌を知ることはできない。たとえ営業担当者に疑問をぶつけてみた
ところで、専門的な言葉で適当にごまかされてしまうのがオチだ。

 保険は、住宅に次いで高い買い物と言われている。にもかかわらず、知識不足
に付け込まれ、高いだけで必要のないものを売り付けられているのが現状なのだ。

     ◇           ◇           ◇

■ 医療保険22商品を徹底解説関心高まる地震保険に盲点も

『週刊ダイヤモンド』4月21日号の第1特集は「騙されない保険」。金融庁も問題
視する医療保険、がん保険を中心に、生命保険に潜む“わな”を始め、セールス
トークの騙しの手口などを一挙公開しました。

 今回の特集では、医療保険22商品を初めて、保険料に保障範囲、先進医療の3つ
の視点から徹底解剖したほか、今、業界に旋風を巻き起こしている乗り合い代理
店大手3社を本誌記者が直接訪問、提案内容をプロに判定してもらう覆面調査も実
施しています。

 また、東日本大震災を受けて、関心が高まる地震保険についても徹底解説。地
震保険に入っていれば安心との常識がいかに間違っているかについても解き明か
しています。意外な盲点満載で必見です。

 例年実施している「プロが選ぶ生命保険ランキング」や、「自動車保険ランキ
ング」は今年も掲載。盛りだくさんの内容になっていますので、ぜひとも手にとっ
てご覧ください。(『週刊ダイヤモンド』副編集長 田島靖久)

(ダイヤモンド・オンライン)


2012.04.12 生損保が保育所直営 金融庁、13年度にも解禁検討

生損保が保育所直営 金融庁、13年度にも解禁検討

 金融庁は保険会社が子会社を通じて直接、保育所を運営できるようにする方向
で検討に入った。保育所に入りたくても入れない待機児童問題が深刻になる一方、
保険会社の間で保有する不動産を使った保育サービスへの参入意欲が高まってい
るためだ。金融庁は11日に開く金融審議会(首相の諮問機関)で議論を始め、早
ければ2013年度にも保険業法を改正する。

 金融審は09年に保険の基本問題に関する中間報告をとりまとめた。その後、保
険金の不払いに伴う経営問題が一服。少子高齢化が一段と進む状況を踏まえ、保
険会社が提供する商品やサービスのあり方について本格的に再検討することにし
た。

 業務範囲の見直しはその一環。保険業法は保険会社が子会社で参入できる業務
を限っており、保育所運営は対象に入っていない。都心の駅前などに優良な不動
産物件を多く抱える保険会社が保育サービスに直接参入できれば、保育所に入れ
ない待機児童の解消につながる可能性がある。子供向けの医療保険や傷害保険な
ど本業の保険事業との相乗効果も見込める。

 一方、保険会社が保険金の代わりに医療や介護などのサービスを提供する「現
物給付」の是非についても検討する。現物給付は07~08年にも議論したが、反対
意見が多く、解禁を見送っていた。

 厚生労働省によると、待機児童の数は昨年4月時点で約2万5000人。需要に対
し、保育所の供給が追いつかず、高止まりが続いている。

 保険会社では第一生命保険が自社の不動産を活用し、保育サービス大手のJP
ホールディングスとポピンズに業務委託する形で保育所運営に乗り出している。

 自社で直接運営できるようになれば「収益事業としてスピーディーな拠点展開
が可能になる」(大手生保)、「保険商品の潜在的な顧客と新たな接点をつくれ
る」(大手損保)と業法改正に期待する向きが多い。

 ただ現在は、企業が保育事業から得た収益を配当やほかの事業への投資に使う
と、市町村からの補助金が減ってしまう。このため政府は保育サービスを拡充す
るための子育て支援新制度の関連法案を3月末に国会に提出した。

 法案が成立すれば、これまで事業主体が社会福祉法人か株式会社かなどで差が
あった補助金は一本化される。施設は市町村の指定を受ければ、運営費が給付さ
れる仕組みになる。金融審ではこうした新制度もにらんで、保険業法改正の議論
を急ぐ。

 保険会社の保育所運営について、JPホールディングスの山口洋社長は「保育
事業の採算を確保するには一定の規模が必要」と指摘。法改正で保険会社が子会
社を通じて保育所を運営できるようになっても、事業として成立させるのは難し
い側面もあるとみる。

     ◇           ◇           ◇

(ことば)保険業法

 生命保険会社と損害保険会社の業務範囲や会計基準、組織体制を規定する法律。
経営環境の変化に合わせて繰り返し改正されている。1990年代以降、子会社を通
じた生損保の相互参入を認めたほか、健全性を示すソルベンシーマージン比率の
導入、相互会社が株式会社に転換するための具体的なルール整備などが順次進め
られてきた。

(日経新聞)


2012.04.09 メットライフアリコ、日本支店を株式会社に

メットライフアリコ、日本支店を株式会社に

 メットライフアリコは2日、同日付で株式会社化し、メットライフアリコ生命
保険として営業を始めたと発表した。これまでは米アメリカン・ライフ・インシュ
アランス・カンパニー日本支店だった。日本法人となり、日本市場を開拓する姿
勢を鮮明にする。

(日経新聞)

2012.03.27 保険会社のための資本要件規制 ソルベンシー2の導入に向けた採決

保険会社のための資本要件規制 ソルベンシー2の導入に向けた採決

■ 圧倒的大多数の賛成により議決

 影響力のある欧州経済委員会は、21日、現行のソルベンシーⅠを抜本的に見直
した、保険会社のための資本要件規制であるソルベンシーⅡを、圧倒的大多数に
より採決した。Wirtschaftsblatt.atが21日、報じた。

 現行のソルベンシーⅠは、おもに保険料、保険金支払い、準備金に基づき要資
本を算出している。これに対し、ソルベンシーⅡは、リスクベース資本および新
BIS(国際決済銀行)規制の3つの柱アプローチを採用する方向性が示されている。
これにより、保険業界の負担を軽減できるはずだ。

 経済委員会においては、37委員が新案に賛成し、4委員が反対の立場を示した。
2014年の施行に向けて、第1段階をクリアした。欧州委員会との最終的な議論は、
4月に予定されている。妥協案が、7月に議会に提示される。

■ 保険業界の負担の軽減

 保険業界にとって、現行の指令と比較すると、約数10億の節約となる。ドイツ
緑の党の議員スヴェン・ギーゴルト氏は、「自己資本の準備金による負担の軽減
は、1000億ユーロ以上になるだろう。」と、見積もる。

 英国保険協会の事務局長オットー・トーレセン氏は、「ガイドラインは完ぺき
ではないが、次のステップに向けた建設的な議論のために道が開けた。」と、語っ
た。

(保険市場タイムス)

2012.03.19 J.D.パワー、2012年生命保険金請求対応満足度調査結果を発表

J.D.パワー、2012年生命保険金請求対応満足度調査結果を発表
4割は契約見直し意向

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であ
る株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表
取締役社長:アルバート ラパーズ、略称:J.D. パワー)は、2012年
生命保険金請求対応満足度調査の結果を発表した。

 今回の調査では、保険金請求をした人の約4割が保険の見直し意向があり、保
険商品を契約しているが未だ保険金請求をしていない人と比べると、その契約見
直し意向は1.5倍高いことが確認された。これは保険金請求をすることが保険
契約見直しのきっかけになりうる可能性が高いことを示している。この見直し意
向は保険金請求満足度が高いグループでは3割に低下し、低いグループでは5割
に増加する。満足度が高まると見直し意向は低下するため、請求を機に起こりう
る見直し意向を低減させるためには保険金請求時点での満足度向上がよりいっそ
う重要であると言える。

 また、今回保険金請求を行った人の8割は今回請求した保険会社以外の保険会
社との契約を持っている実態が明らかになっている。見直し意向は請求した会社
以外の保険商品も含めたものであり、保険金請求満足度を高めることは、顧客流
出を防ぐためにも重要な要素と言える。

◆支払期間の短縮が満足度向上に大きく寄与◆

 本調査は2011年12月に実施されたが、保険金請求についての満足度は業
界全体で生活保障セグメントで30ポイント向上し607ポイント、医療給付金
セグメントで29ポイント向上し647ポイントとなった。生命保険会社各社は
大震災以降、保険金支払いに向けた様々な対策を実施しており、その取り組みは、
被災したことで保険金請求を行った場合のみならず、全ての保険金請求に良い影
響を与えたと想定される。実際に業界全体で、保険金請求の請求書類提出から入
金までの期間が「1週間以内」である割合が、生活保障金セグメントで23%⇒
29%、医療給付金セグメントで26%⇒35%と増加し、支払が早くなってい
ることが伺える。このことが、今回の満足度向上に大きく寄与したものと考えら
れる。

 一方、契約者からはこのような対応が今後はスタンダードと見られると想定さ
れ、生命保険会社各社はいっそう保険金請求対応プロセスについて、品質を維持、
向上させていくことが求められるだろう。

◆生活保障金はソニー生命、医療給付金は2年連続プルデンシャル生命が満足度
第1位◆

 生活保障金セグメントの顧客満足度ランキングでは、対象となった10社中、
ソニー生命が645ポイントで第1位となった。次いで、メットライフアリコ
(631ポイント)が第2位、アフラック(618ポイント)が第3位であった。
医療給付金セグメントの顧客満足度ランキングでは、対象となった20社中、プ
ルデンシャル生命が719ポイントで2年連続第1位となった。次いでソニー生
命(698ポイント)が第2位、富国生命(673ポイント)が第3位であった。
請求した窓口別に総合満足度を見ると、コールセンターの向上が大きかった。

 当調査は、直近1年以内に生命保険金・給付金の申請手続きを行った顧客を対
象に、請求プロセスにおける保険会社に対する満足度や各種活動実態を調べたも
のである。調査第2回となる本年は、2011年12月にインターネット調査を
実施し、7,549人から回答を得た。

 尚、当調査では、生命保険金・給付金の申請の種類を顧客認識・顧客ニーズの
視点から分類し、それぞれにおける満足度を測定している。各部門の詳細は次の
とおり。

・生活保障金:<対象請求>死亡保険、収入保障保険、介護保険等
・医療給付金:<対象請求>がん保険、医療保険等

 保険金請求の総合満足度を構成しているファクターは、総合満足度に対する影
響度の大きい順に「請求手続サポート」(39%)、「保険金支払」(37%)、
「請求手続」(24%)と続く(カッコ内は影響度)。生命保険会社に対する総
合満足度スコアは各ファクターにおける詳細項目に対するユーザーの評価を基に
1,000点満点で算出している。なお、ネット系生命保険や共済についても参
考データとして聴取している。

<2012年生命保険契約満足度調査(保全編)>
3月21日リリース予定

 生命保険を保有し、購入・更新手続き・請求を直近1年以内に行っていない顧
客を対象に、契約後における保険会社・代理店の対応実態や保険会社に対する顧
客満足度を測定

 *J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者
機関として自主企画により実施したものです。

<株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて>

 当社は米国J.D. パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域
でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピュ
ーター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客
満足に関する調査やコンサルティングを実施している。プライバシーマーク取得。
会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://www.jdpower.co.
jpまで

<J.D. パワー・アンド・アソシエイツについて>

 ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D. パワー・アンド・
アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マ
ーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニ
ングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数
百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客
満足度に関する調査を毎年行なっている。

<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>

 1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズ(NYSE:MHP)
は、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、J.D. パ
ワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関す
る情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280
カ所以上の拠点を有し、2010年の売上高は62億ドルにのぼる。詳細はウェ
ブサイト
http://www.mcgraw-hill.comまで。

<当調査に関するお問合わせ先>

(株)J.D. パワー アジア・パシフィック
 コーポレート コミュニケーション
 住所:東京都港区虎ノ門5-1-5 虎ノ門45MTビル(〒105-000
1)
 電話:03-4550-8060
 FAX:03-4550-8152
 e-mail:
cc-group@jdpower.co.jp

※以下の資料は添付の関連資料「参考資料」を参照
 ・顧客満足度ランキング【生活保障金
 ・顧客満足度ランキング【医療給付金】
 ・総合満足度を構成するファクター
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0305367_01.pdf

(日経プレスリリース)

2012.03.07 保険各社「女子会」で人材探し 出産・育児・転勤…じっくり話せて好評

保険各社「女子会」で人材探し 出産・育児・転勤…じっくり話せて好評

 大手生損保会社が、気軽に参加できる「女子会」を活用した採用活動を展開し
ている。女子学生に限定した住友生命保険の会社説明会は、女性の関心が高いテ
ーマをめぐり、男性に気兼ねすることなく質問ができるとあって評判は上々。保
険会社は金融業界の中で銀行よりも志望する学生が少ないこともあり、女子会を
認知度アップや人材確保につなげたい考えだ。

 「出産後も働き続けられますか」「転勤はありますか」

 住友生命が1月に東京都内のカフェを貸し切って開いた女子学生限定の会社説
明会。リクルートスーツ姿の学生が女性社員に次々と質問を投げかける。

 「男子学生が多く参加する説明会では、出産や育児関連の質問をしにくい雰囲
気がある」と、人事部人事室の伊藤章子主任。女性だけに参加者を絞ることで
「女性社員の働きやすさなどでも気軽に質問ができ、当社に関する理解も深まる
と考えた」(伊藤主任)という。

 大阪市内での説明会との合計で525人が参加。学生の満足度は高く、「リラッ
クスしてじっくりと話を聞くことができた」との声も寄せられた。

 損害保険ジャパンは、社内のカフェコーナーで催す社員と学生の座談会「So
mpo Japan Cafe」に女子学生限定の「女子Cafe」の日を2月
に設け、女性社員が仕事内容やキャリアアップの仕組みを説明。明治安田生命保
険は、女性社員の勤務実態への質問が多いことから、女子学生向けの就職セミナ
ーを東京と大阪で昨年12月~1月に開き、約1000人が参加した。

 保険各社が女子学生に積極的にアプローチするのは「金融業界=男性社会」と
いう印象が強い事情がある。さらに「保険会社の仕事内容がイメージしづらく、
安定志向からか銀行や証券会社よりも志望度が低い」(大手生保)ことも背景に
ある。

 採用に向けた企業の広報活動の開始時期がこれまでより2カ月遅い12月になっ
たこともあり、優秀な人材の取り合いは激しさを増している。自社への就職を志
望する学生を増やすため、女子会で接点となる機会をつくる思惑もある。

 「経験を積んだ優秀な女性社員に働き続けてもらうことも大きな課題」(生保
関係者)となる中、入社前と入社後の生損保業界に対するイメージの差をなくす
ことにも女子会を役立てたい考えだ。(橋本亮)

(フジサンケイ ビジネスアイ)


2012.02.21 特約が増えた「医療保険」は魅力なし

特約が増えた「医療保険」は魅力なし

保険コンサルタント 後田亨

 「これは『進化』ではないだろう」。1月にリニューアルされた日本で一番売
れている「医療保険」のプレスリリースを見て感じました。

 リリースには「現行商品のコンセプトである『使いやすさ』『分かりやすさ』
を維持しつつ、お客様が医療保険に求めるさまざまなニーズにお応えし、より多
くのお客様のお役にたてる医療保険へと進化させています」とあります。

 しかし、私は「従来よりも、わかりにくくなった。わかりにくいものは使いや
すくないだろう」と思ったのです。

 原因は、追加できる特約が増えていることにあります。

 たとえば、「生存祝金特約」です。契約が続いている期間中、生存していれば
3年ごとに3万円のお祝い金が支払われます。一定期間ごとに受け取れるボーナ
スやお祝い金に対するニーズにお応えするために新設されたとのことです。

 たしかに、「保険に入っている間に、受け取ることが出来るお金があるのは嬉
しいものだ」といった声をお客様から聞く機会はあります。

 ただ2点疑問があります。まず、そもそもお客様が払い込んだお金を定期的に
返金する仕組みを、「ボーナス」や「お祝い金」と呼ぶのは図々しいと思います。

 3万円を受け取るには必ず3万円に近いお金を払うことになるのです。仮にお
金の殖え方が大きい場合でも、特約が付いている本体(主契約といいます)の価
格設定で調整されているだけかもしれません。

 また、「3年後の3万円」と、保険本来の存在意義とにどんな関係があるでしょ
うか?

 今日、明日何かあった場合、自力では調達できない金額の保険金が支払われる
のが保険の最大の利点です。好みの問題とする向きも認めつつ、もともと無くて
もいい特約だと考えます。

 他に改訂された特約には、「総合先進医療特約」もあります。1回あたりの支
払限度額と通算支払限度額が2千万円に引き上げられています。先進医療特約に
ついては、本連載で昨年10月28日付で書いた記事「『先進医療特約』だけを販売
できない理由」をご覧ください。私は特定の治療について320万円まで、通算700
万円までとする現行商品の内容のままで構わないと思っています。

 改訂の理由は「高まる『先進医療』に対する保障ニーズにお応えするため……」
だそうですが、2千万円を限度としている他社商品があることを意識したもので
しょう。

 あらためて思うのは「お客様のニーズに応える」とは、ある意味、便利な言葉
だなということです。価格競争を回避する言い訳のようにも感じられるからです。

 次の表をご覧ください。最もシンプルなプランで、2002年の発売当初から2度
リニューアルされた商品の内容をまとめてみました。

表: http://tinyurl.com/82ms4sw
(編注:日経ID所有者のみ閲覧可)

 今回のリニューアルの実態は、現行商品に付加できる「特約」が増えただけな
ので、09年版と12年版は同じです。

 問題視したいのは、09年以降の40歳と50歳の保険料です。女性では、若干、保
険料が下がっているものの、男性、特に50代男性の保険料が23%以上高くなって
います。

 理由は、09年から「お客様のニーズに応え、放射線治療に対応する機能が追加
されたため」と説明されるかもしれません。しかし、それでいいのでしょうか?

 近隣業界の方から経費率の高さに驚かれるのが保険業界です。発売から10年も
の間に、経費削減等によって、商品の機能が増えても価格は上がらない(もしく
は下がる)ようにすることは不可能だったのでしょうか?

 50歳男性が60歳までに保険料を払い終わる設計では、215万円を「医療保険」の
基本的な機能だけのために支払うことになるのです。

 今回取り上げた会社に限らず、各保険会社には、商品のメーカーとして「特約
の改定以前に、もっと利用しやすい保険料に……」というニーズがあるのではな
いかと、想像をたくましくして欲しいと思います。

(日経新聞)

2012.02.14 ライフネット生命、3月15日マザーズ上場 生保で4社目

ライフネット生命、3月15日マザーズ上場 生保で4社目

 インターネット専業の生命保険会社であるライフネット生命保険は10日、東京
証券取引所から東証マザーズへの上場の承認を受けた。上場予定日は3月15日。
上場時の株式時価総額は500億円程度になるとみられる。

 国内の生保会社ではT&Dホールディングス、第一生命保険、ソニー生命保険
を傘下に持つソニーフィナンシャルホールディングスに次いで4社目の上場生保
となる。

 調達額は約92億円で、新商品の開発資金などに充てる。ライフネット生命は20
08年5月に開業したネット生保専業の最大手。大手生保に比べて割安な保険料が
人気を集め、1月には死亡保険の保有契約高が1兆円を超えた。

 12年3月期の経常収益は前期比約2倍の37億7900万円、最終損益は11億5200万
円の赤字となる見通し。

(日経新聞)

2012.01.19 損保ジャパン、すべて女性の営業所 4月にまず5カ所

損保ジャパン、すべて女性の営業所 4月にまず5カ所

 大手損害保険グループNKSJホールディングス傘下の損害保険ジャパンは4
月、支社長などの幹部社員を含めてすべて女性で運営する営業所を開設する。ま
ず東京や大阪など大都市圏の5カ所で始め、翌年度以降も地域を広げる。女性の
幹部社員の育成を進め、女性が長く働きやすい環境を整備する。

 これまで営業所の女性社員の仕事は主に、事務処理や契約管理の仕事に限られ
ていた。10人以上の社員を抱える対象店舗では支店営業の統括や代理店への営業
活動など、男性社員が担っていた業務まで範囲を拡大する。

 損保ジャパンは2010年度に人事制度を改定。男性が大半を占める地域間異動が
ある社員(グローバル社員)と、女性中心の転勤が無い社員(エリア社員)の仕
事内容を同じにするなどの見直しに取り組んでいる。営業所にも同じ改定制度を
導入し、女性の比率を高める。

(日経新聞)


2012.01.11 金融庁、生損保を格付け リスク管理など評価、来年度導入

金融庁、生損保を格付け リスク管理など評価、来年度導入

 金融庁は2012年度中に、生命保険会社、損害保険会社の経営内容を格付けする
「評定制度」を導入する。各社への検査を基に販売やリスク管理、法令順守など
8項目を4段階で評価。問題点を浮き彫りにするとともに、良い結果が出た項目
は次回の検査から外すなど保険会社の負担を軽減する。

 評定制度は07年に、まず銀行を対象に本格導入された。資産査定やリスク管理
体制をABCDの4段階で評価し、自主的な経営改善につなげる狙いだった。金
融庁はこうした手法が保険会社でも有効に使えると判断。今年度中に保険版の評
定制度案を公表し、来年度中に実施に移す。

 格付けの対象は(1)商品説明や販売の体制(2)保険金の支払いや苦情処理の体制
(3)有価証券や不動産などの資産運用体制(4)反社会的勢力への対応といった法令
順守体制――など計8項目となる見通し。個別の結果を各社に通知するほか、年
度ごとに格付けの分布状況を発表し、業界全体の推移が分かるようにする。

 悪い評定結果が出ても、行政処分に直結することはないが、次回の検査で改善
度合いを重点的にチェックするなど検査内容に反映させる。逆に、評定が良い場
合は次回の対象から外し、検査の効率化につなげる。

 07年から08年にかけて多くの生損保が保険金の不払い問題で行政処分を受ける
など、ここ数年、不払いへの対応が保険各社の最重要課題となっていた。金融庁
は昨年末、不払いに絡む生保10社への業務改善命令を解除し、「平時」の監督に
移行した。検査面でも問題点を客観的に明示する仕組みを導入し、検査官と保険
会社との対話も促進する。

(日経新聞)


2011.12.15 法人ガン保険が税務見直しへ 節税効果に国税庁がブレーキ

法人ガン保険が税務見直しへ 節税効果に国税庁がブレーキ

 中小企業の経営者などのあいだで“節税”商品として人気の高い「法人向けガ
ン保険」が、事実上の販売停止に追い込まれている。

 すでに先月から、一部商品の販売を自粛している生命保険会社も複数出ており、
節税効果をうたう法人向け商品が、また一つ消える運命をたどりそうだ。

 業界関係者によると、国税庁が先月24日、生命保険協会に対し法人向けガン保
険について「税務取り扱いの見直しを前提とした検討を行う」旨の通達を行った。
この通達を受け、生保各社は急きょ、販売代理店に販売停止や、商品説明方法に
注意を促す通達を出すなど対応に追われている。

 本来、この保険は、事業主や社員の治療費など福利厚生を目的とするもの。だ
が、条件を満たせば保険料を全額損金扱いできるため、課税対象となる利益を保
険料に回して利益を圧縮することで節税できる。

 また、解約時や失効時に契約者に払い戻される解約返戻金として帳簿外に利益
をプールすることも可能で、この解約返戻金の割合は80~90%、商品によっては
100%になるケースもある。これらの特徴から、実際には「節税対策が最大の“売
り文句”となっていた商品だ」(大手生保)。

 今回の国税庁の見直しは、保険商品ではなく節税商品として過度な商品開発が
行われている現状に、急ブレーキをかけるという観測が強い。

 法人向けガン保険は、外資系生保や新興生保を中心に販売され、近年は中小企
業マーケットを狙う国内生保も参入し、競争が激化していた。

 保険金額が加入年数とともに増加する逓増定期保険など、節税効果をうたう商
品の税制改正が続くなか、今回の国税庁の動きは「法人向けガン保険を看板にす
る一部生保だけでなく、節税を売り文句にしていた代理店にも、頭の痛い事態」
(別の大手生保)だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 宮原啓彰)


2011.12.12 生命保険会社の合併について

生命保険会社の合併について

 本日、ジブラルタ生命保険株式会社、AIGエジソン生命保険株式会社及びエ
イアイジー・スター生命保険株式会社に対し、3社が合併することについて保険
業法第167条第1項の規定に基づき認可しました。

新生命保険会社の概要

1.商号
ジブラルタ生命保険株式会社

2.本店所在地
東京都千代田区永田町2丁目13番10号プルデンシャルタワー

3.代表者
代表取締役社長 佐藤 惠
(現ジブラルタ生命保険(株) 代表取締役副社長)

4.資本金
755億円

5.主な株主構成
プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン 88.8%
ファイナンシャル・アシュアランス・ジャパン 11.2%

お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局保険課
(内線3336、3341)

(金融庁)


2011.12.05 (生保 揺れる針路)(上)売れ筋に落とし穴 「銀行窓販」統制利かず

(生保 揺れる針路)(上)売れ筋に落とし穴 「銀行窓販」統制利かず

 生命保険会社の破綻が続いた2001年の「生保危機」から10年。株安、円高、低
金利が再び生保経営を揺さぶり始めた。銀行を通じて保険を売る「銀行窓販」は
成長市場だが、過度の依存にはリスクも伴う。運用環境の劣化は業界再編の呼び
水となる可能性もある。

■ 収入全体の5割

 都内の信託銀行に資産運用の相談に訪れた60歳代の男性は、こんな提案を受け
た。「利回りも良いし、相続対策にもなります」。手渡されたパンフレットは明
治安田生命保険の一時払い終身保険「Everybody(エブリバディ)」だっ
た。

 11年4~9月期決算で、明治安田生命の銀行窓販による保険料収入は1兆2059
億円と前年同期に比べ2倍超。収入全体の約5割を占め、営業職員による販売収
入(7471億円)の1.6倍だった。銀行窓販収入の94%を一時払い終身保険で稼ぎ出
した。

 大手生保の一時払い終身保険の利回り(予定利率)は1%前後。定期預金より
高利回りを見込める。低金利で顧客の喜ぶ預金商品が見あたらない銀行には、販
売手数料を稼げる有力な商品だ。

 生保にも利点はある。自前で売る死亡保障の生保商品は20~30年の長期契約が
基本。一方、銀行窓販向けの一時払い商品は短期間で収入増を見込める。ただ、
思わぬ落とし穴にもなり得る。

 「販売目標を上げてほしい」。大手生保の銀行窓販担当者は取引先の地方銀行
から迫られた。手数料を稼ぎたい銀行が販売増を求めてきたのだ。

 年度初めに運用計画を立てるので販売目標は変えられない、と告げると銀行は
「一押し商品は他社にもありますからね」と一言。生保の担当者は「自社商品を
積極的に売ってもらえるかは銀行次第」と明かす。販売量を自社でコントロール
しにくいのが実情だ。

 預金よりもお得――。銀行が顧客に終身保険を売る際の決まり文句だ。ただ、
市場金利が上がれば利回りが一定の一時払い終身保険の魅力は相対的に下がり、
解約が殺到する懸念もある。その際の資金負担はまるまる販売元の保険会社が負
う。販売時に手数料を稼ぐだけの銀行は、後の運用リスクを気にせず販売額を増
やしがちだ。

■ 振れ幅が大きく

 住友生命保険や富国生命保険は前年に一時払い商品の販売を休止したり抑えた
りした結果、今期は大幅な減収が続く。運用成績次第で年金額が変わる変額年金
保険を過去に販売した第一生命保険や三井生命保険は、株価下落に伴う損失の穴
埋めに今も苦しむ。銀行窓販は「有力な販売チャネルの一つ」(明治安田生命の
殿岡裕章専務執行役員)だが、収益の振れ幅は大きくなる。

 明治安田生命は12月から一時払い終身保険の予定利率を1.5%から1.1%に下げ
た。資金流入リスクを避けるためで、他社が追随する可能性もある。利率を下げ
れば金融商品としての魅力は薄れる。保険料が上がり契約者にしわ寄せが及ぶ。

(日経新聞)


2011.11.29 大手生保13社の9月中間決算、明治安田など7社が増益 銀行窓販で明暗

大手生保13社の9月中間決算、明治安田など7社が増益 銀行窓販で明暗

 生命保険主要13社の2011年9月中間連結決算が24日、出そろった。銀
行窓口での保険販売などが好調だった9社が増収を確保。本業のもうけを示す基
礎利益は利息・配当金収入の増加などで契約者に約束した利回りを下回る「逆ざ
や」が縮小し、7社が増益となった。欧州の債務危機に伴う金融市場の混乱など
で運用環境の悪化が続いており、先行きに懸念材料もある。

 生保の売上高に相当する保険料等収入は、銀行窓口での一時払い終身保険の販
売が大きく伸びた明治安田生命保険や日本生命保険などが大幅増収となった。明
治安田生命は37・4%増の2兆4770億円と中間期では過去最高を記録し、
日生も17・2%増加した。

 一方で、前年に一時払い終身保険の販売が好調だった住友生命保険は反動減か
ら36・4%減の大幅減収となるなど、銀行窓販での販売実績が明暗を分けた。

 基礎利益では、東日本大震災に伴う保険金支払額が前年度末に想定した金額よ
りも少なく、戻し入れが生じたほか、利息・配当金収入が増加し、逆ざやが縮小
したことも利益を押し上げた。明治安田は中間期として20年ぶりの逆ざや解消
となった。


■主要生保13社の2011年9月中間連結決算

       保険料等収入    基礎利益

-----------------------

日本    2兆7526 (17.2)   3001 (3.6)

明治安田  2兆4770 (37.4)   1873 (14.3)

第一    1兆7485 (5.1)    1165 (▲9.0)

住友    1兆2341 (▲36.4)  1116 (▲7.6)

T&D     7377 (1.0)    596 (31.8)

富国      5007 (▲28.6)   378 (9.0)

三井      2910 (▲9.8)   ▲7 (-)

朝日      2520 (▲1.5)   135 (▲3.0)

ソニー     3957 (6.7)    316 (18.0)

プルデンシャル 8886 (13.6)    610 (▲12.7)

アフラック   7846 (18.7)    925 (5.3)

アリコ     7160 (14.7)    194 (▲51.6)

アクサ     3304 (5.2)    303 (31.6)

※単位:億円。カッコ内は前年同期比増減率%

▲は赤字またはマイナス、ーは比較できず。

第一、T&D、富国、プルデンシャルは傘下生保の合算または連結

(産経新聞)


2011.11.24 生保、逆ざや24%減 4~9月、明治安田20年ぶり解消

生保、逆ざや24%減 4~9月、明治安田20年ぶり解消

 主要生命保険の2011年4~9月期決算で、想定していた運用利回りを達成でき
ずに終わる「逆ざや現象」が改善したもようだ。9社合計の逆ざや額は約1300億
円と前年同期比24%減少し、明治安田生命保険は20年ぶりに解消したとみられる。
利息・配当金収入の増加に加え、利回りが高い過去の契約が減ったためだ。運用
環境は不透明感が強く、12年3月期は再び拡大する懸念もある。

 9社は日本、第一、明治安田、住友、大同、太陽、富国、三井、朝日の各生命
保険会社。

 生保は、事前に想定した予定利率分の運用収益を割り引いて保険料を計算する。
実際の運用利回りが予定利率を上回る順ざや(利差益)になれば契約者に配当で
きるが、運用利回りが予定利率を下回る逆ざや(利差損)に陥ると不足分は生保
が穴埋めするため、収益を圧迫する。

 明治安田生命は外債や投資信託からの配当収入が増え、前期の60億円の逆ざや
から数十億円程度の順ざやに転じたもよう。合併前の旧明治生命、旧安田生命時
代にさかのぼっても1992年3月期決算以来のことだ。日本生命も2年連続で順ざ
やを確保したようだ。9社ともほぼ前年並みか減少になったとみられる。

 逆ざやは通常、上期より下期の方が縮小しやすい。3月の株式配当で利配収入
が下期の方が多くなるためだ。ただ、足元では欧州の債務問題で世界経済に減速
懸念が浮上。「下期も上期のように順調に逆ざやを削減できるかは不透明」(主
要生保)との慎重な声もある。

(日経新聞)

2011.11.14 保険会社に相談するデメリット  保険コンサルタント 後田亨

保険会社に相談するデメリット  保険コンサルタント 後田亨

 「自画自賛に過ぎるのでは?」。ある保険会社のホームページに列記されてい
た、営業社員に「相談するメリット」を読みながら感じています。私が持ってい
る営業現場での実感からすると、あくまで「理想」が書かれている気がするから
です。

 対面販売に注力している業態にあって、お客様からの相談に応じる担当者の存
在や、その能力が売りになるのはよくわかりますし、全てを否定するつもりはあ
りません。

 ただ、営業社員による相談について、保険会社が言いたがらない「限界」や
「矛盾」もあると思います。そこで今回は、ホームページに書かれている「メリッ
ト」に対して、私が考える「デメリット」を語ることにします(以下、引用部分
は字数の関係で文体も変え、大意を伝えることにします)。メリットとして挙げ
られているポイントは、次の3点に絞ることができると思います。

1 保険契約だけが営業の仕事ではない。的確なライフプランニングを行い、お
客様の夢の実現のために最も適した生命保険を提案する

2 (お客様が)漠然と抱えている不安や疑問を一緒に考えていくことで明確化
できる

3 生命保険は入って終わりではなく、社会情勢や家族の変化などに合わせメン
テナンスし最適化していく必要がある。営業社員は良きアドバイザーとして、ま
た信頼のおける友人のようにお客様を支え続ける

 それぞれ反論します。1で重要なのは、お客様と面談する社員は歩合制の報酬
体系で働いているということです。どんなプランを提案しても、契約までたどり
着けない社員は生きていけません。極端な話、摩訶不思議な提案をしていても、
お客様に大金を使わせることに長けている者が、会社からは優遇される世界でも
あります。

 また、各自の提案の「質」は、客観的に評価できません。死亡保障を重視する
者もいれば、医療保障を重視する者もいます。それぞれ信念や報酬面での損得勘
定に基づいて提案しているのですから、バラつきは避けられません。「最も適し
た生命保険」は、提案者の数だけあると思っていた方が、間違いが少ないでしょ
う。

 さらにつけ加えれば、「夢の実現」のためには、基本的に保険料は抑える方向
が好ましいと思われます。しかし、営業社員が保険会社から求められるのは、保
険料収入の増大です。なかなか難しい立場なのだ、という認識を、保険の利用者
は持つべきなのです。

 2の漠然とした不安や疑問を具体化するのはいいことだと思います。ただ、不
安が大きいほど、「対策」として提示できる商品の金額も大きくできるという面
があります。「不安だからといって保険での対応が最適なのか?」という大切な
問いかけを忘れてはいけないでしょう。

 最後に、3の「お客様を支え続ける」営業社員とは、ごく一部の人のことを語っ
ていると解釈すべきです。実際、この会社は2006年から10年までの5年間で1700
人強の営業社員を採用していますが、在籍数の増加は280人強にとどまっています。
平均在籍年数も10年未満です。

 営業社員制度ができてからは30年くらい経過していることを思うと、代理店と
して独立する制度もあるとはいえ、「基本的に長く続かない者が多い仕事なのだ」
と見られても仕方がないのではないでしょうか。

 以上、ここまで書いてきて、特定の会社に限ったことではない問題だと感じて
います。

 お客様の相談に対応する者が、商品販売の実績に応じて報酬を受け取るシステ
ムのもとで働く限り、避けられない問題でしょう。

 私なりに考える理想の業態については、別の機会に書くことにします。いずれ
にしても、お客様にとって優先すべきは、ある仕組みを利用する際の「デメリッ
ト」の確認だと思います。

(日経新聞)


2011.11.11 学資保険 お金を育てる

学資保険 お金を育てる
貯蓄型、コツコツ計画的に 保障型、入院・死亡厚い給付

 厳しい雇用環境が続くなか、子育て世帯が頭を痛めるのは学費の負担だ。そん
な需要を見込み、生命保険各社は入学資金などを積み立てる「学資保険」に力を
入れる。

 学資保険は毎月、一定額を積み立てて高校や大学の入学時にまとまったお金を
受け取る仕組み。学費の積み立てを重視する「貯蓄型」と、医療保障や死亡保障
がある「保障型」の2タイプがある。

 貯蓄型は基本的に払い込んだ金額よりも多くお金を受け取れる。アメリカンファ
ミリー生命保険(アフラック)の「夢みるこどもの学資保険」は、高校進学時と
大学進学時に保険金が出る。契約によっては返戻率(払い込んだ額に対する受取
額の割合)が110%を超える。

 ソニー生命保険の「学資保険スクエア」は保険金を受け取る時期が17、18、20、
22歳の4回ある。毎月支払う保険料を目安に受取総額を決められるほか、まず受
取総額を決めてから保険料を割り出すことも可能だ。

 富国生命保険の「みらいのつばさ」は、兄弟や姉妹で加入すると保険料を割り
引く制度を導入。払い込みが月払いの場合、満期保険金10万円につき月額10円を
割り引く。

 保障型の学資保険ではかんぽ生命保険の商品が代表例。「新学資保険」は子ど
もが死亡したときに死亡保険金が出る。保障は手厚いが、返戻率は低い。東京海
上日動あんしん生命保険の「こども保険」も保障型だが、実際の運用益が当初予
想を超えると5年ごとに配当金が支給される。

 学資保険は加入時の利回りが契約期間中はずっと適用される。契約後に金利が
上がれば、他の金融商品より利回りが低くなる可能性がある。また、途中解約す
ると元本割れすることもある。加入する前に今後の金利の動きをよく見極めるこ
とも必要になる。

(日経新聞)


2011.11.07 中国の富裕層に国外脱出の動き

中国の富裕層に国外脱出の動き

 【北京】このほど発表された調査結果によると、中国の富裕層の半分以上の人
は外国移住を検討したり、実際に移住計画に乗り出したりしている。今年これま
での各種調査で明らかになった傾向が確認された形で、同国の急速な経済成長に
もかかわらず、ビジネスエリートの間に生活の質や資産の今後についての不安が
あることがうかがえる。

 中国銀行と同国富裕層の研究に当たっている「胡潤リポート」が10月29日に発
表した、資産1000万人民元(1億3000万円)以上の中国人980人を対象にした調査
報告によると、最も人気のある移住先は米国だった。

 中国の経済成長は、ペースが鈍ったとはいえ、西側世界がうらやむ水準にある
ことに変わりはない。今年第3四半期(7-9月)の国内総生産(GDP)伸び率は
9.1%で、国際通貨基金(IMF)は今年全体の成長率が9.5%になると予想して
いる。

 しかし、高いインフレ率やバブル的な不動産市場、外需の急激な鈍化など多く
の問題によって、中国の成長が頓挫する不安が高まっている。

 経済成長から利益を得た多くの中国人も、一人っ子政策、食の安全、環境汚染、
汚職、貧弱な教育制度、未熟な法制度などの社会問題への懸念を強めている。

 胡潤リポートの発行者、ルパート・フーゲワーフ氏は、移住を計画している人
たちに最も共通した理由は子どもの教育で、次いで、より良い医療サービス、そ
れに中国の環境汚染だと述べた。同氏は経済、政治的環境への不安を指摘し、
「保険的要素もある」としている。

 ただ同氏は、移住しつつある多くの個人は大方のお金を中国に投資したままに
していると答えているため、今回の調査結果が資本逃避を示唆しているのかどう
かははっきりしないと述べた。

 中国は資本規制をしており、富裕層が資金を国外に持ち出すのは難しい。ただ、
そこには多くの抜け道があるのも事実だ。一部のエコノミストは、ここ数カ月に
大量の資本が流出した兆候が見られるとし、世界的なリスク選好が弱まったこと
や、人民元の緩慢な上昇が予想されることによるのではないかと述べた。

 中国銀行と胡潤リポートの調査は今年5~9月に、北京、上海、武漢、南京、大連、
蘇州など18の主要都市で行われた。報告によると、1000万元以上の「個人資産」
を持つ人は推定96万人おり、1億元以上は6万人いる。一方、中国招商銀行と米コ
ンサルティング会社ベインは、1000万元以上の「投資可能個人」資産を持つ人は
昨年時点で50万人、1億元以上は2万人と推定している。

 今回の調査対象者の平均年齢は42歳、平均個人資産は6000万元だった。46%が
移住を検討していると答え、14%が既に移住したか、申請をしたと答えた。フー
ゲワーフ氏によると、資産1億元以上の人の傾向はもっと顕著で、それぞれ55%、
21%だった。

 移住先のトップは米国(全体の40%)で、以下、カナダ(37%)、シンガポー
ル(14%)、欧州(11%)の順。また、3分の1は海外に資産を持っており、28%
は今後3年間に海外投資を計画している。海外に資産を持っている回答者の半分は
その理由を子どもの教育だとし、32%は移住を理由に挙げた。投資先の人気トッ
プは米国(42%)で、投資形態で最も多かったのは不動産(51%)だった。

(ウォール・ストリート・ジャーナル)


2011.10.31 生保の収入保険料、8月9.1%増 個人向け好調

生保の収入保険料、8月9.1%増 個人向け好調

 生命保険協会がまとめた8月の収入保険料(47社合計)は3兆1301億円となり、
前年同月に比べて9.1%増えた。増収は4カ月連続。医療保険やがん保険など個人
向け保険が好調だった。

 8月末の47社の資産運用状況をみると、国債が計136兆4191億円と前年同月比5.
5%増え、資産全体の42.7%を占めた。一方、国内株は計13兆8341億円と8.7%減
り、資産全体に占める割合は4.3%にとどまった。

(日経新聞)

2011.10.24 大手生保の管理職が入っていた保険とは

大手生保の管理職が入っていた保険とは

保険コンサルタント 後田亨

 「保険が難しくなってしまった」。1990年代後半、私が大手生保の営業職だっ
た頃、同僚の女性が10年以上在籍した職場を去る理由を語った言葉です。

 確かに保険は難しくなっていました。一生涯の死亡保障の上に、一定期間の死
亡や大病等に備える「特約」が上乗せされた設計書を手に、お客様とお会いする
直前まで、「結局、死んだらいくらなの?」と同僚に確認しているような担当者
もいたくらいです。お客様が理解するのは大変なことだったでしょう。実際、死
亡時の保険金が「一括払いではなく、分割で“年金のように”支払われる」とい
う説明を受け、「“貯蓄になる”と思い、子供の分も加入した」というお客様も
いらっしゃいました。後日、本当の契約内容に気づかれた時のことを想像すると
ゾッとする話です。

 しかし、そんな中、とても「わかりやすい保険」に入っている人たちがいまし
た。所属する大手生保の営業部長や支部長といった現場の管理職たちです。魅力
的だとは思えない主力商品拡販のため、プレッシャーをかけ続けられていた女性
職員が、「そういう自分たちは入っているの?」と、「管理職が入っている保険」
について、こっそり調べたために発覚したものです。

 彼らが加入していた保険は、一定期間の万が一に備える「団体保険」と、今で
は考えられない高利回りが約束されていた「一時払い養老保険」のような貯蓄商
品でした。各種の「特約」が満載された自社の推奨商品には加入していなかった
のです。

 営業の女性がとった行動は、個人情報保護の観点からは、否定されるべきもの
です。ただ、管理職の保険活用法からは、いつの時代にも通用する「考え方」を
学ぶことができます。

 「団体保険」とは、特定の企業や組合などの集団向けに案内されている保険で
す。保障内容は、70代くらいまでの一定期間の死亡保障と、入院1日につき1万
円といった医療保障程度で、シンプルかつ低価格です。高齢者が多い集団など、
例外はあるものの、大手の類似商品の半額以下であることも珍しくありません
(現状、団体保険を利用できない向きは、通販用商品やインターネット生保の保
険を利用するといいでしょう)。

 「団体保険」中心の保険活用法を整理すると、次のようになります。

(1)格安の保険料で、ある程度の大きさの死亡保障を確保する

(2)「一生涯の保障」にはこだわらない

(3)医療・介護等の「幅広い保障」にもこだわらない

(4)「保険で貯蓄」は考えない

 特に重要なのは、(2)と(3)です。保険に多くを求めないことで、保険料
負担が抑えられます。中には、他社の「がん保険」に入っている者もいましたが、
総じて、入院時の保障などは重視していませんでした。

 健康保険の保障内容が手厚いことと、医療特約などが、保険金額に対してかな
り割高なことを理解しているからでしょう。ある40代の管理職の保険料負担は1
万円未満で、主力商品のモデルプランの半額以下でした。

 さらに、(4)に関していえば、単に「異様に高い利回りの商品が自社にもあっ
た」というだけのことで、「保険は貯蓄に向いている」とは考えていなかったよ
うです。後年、利回りが下がった貯蓄商品に執着する者がいなかった事実が証拠
になると思います。

 その後も魅力的な貯蓄商品がない状況は続いています。私は、(1)~(3)
のポイントを押さえることが、より重要になっていると考えます。保障のための
出費を最小限にとどめることほど、確実に自己資金を残せる方法はないからです。

 大手生保の主力商品は、今でも死亡・医療・介護などに備える様々な機能がセッ
トになった複雑なものです。会社が売りたがっている保険と、そこで働いている
人が入っている保険と、どちらが保険との関わり方を考える上で役に立つでしょ
うか。

     ◇           ◇           ◇

後田亨(うしろだ・とおる)

 1959年生まれ。1995年に日本生命に転職。2005年より(株)メディカル保険サ
ービス取締役。2007年に上梓した「生命保険の『罠』」(講談社+α新書)で保
険のカラクリを告白、業界に波紋を広げる。以後、主に執筆・セミナー講師・個
人向け有料相談を手掛ける。近著に『がん保険を疑え!』(ダイヤモンド社)。
このほか「“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)、「生命保
険のウラ側」(朝日新書)。メディア掲載多数。

公式サイトhttp://www.seihosoudan.com/

(日経新聞)

2011.10.18 日本の生損保、円高背景の海外M&A過熱を警戒

日本の生損保、円高背景の海外M&A過熱を警戒

 [東京 13日 ロイター] 円高長期化を背景に日本企業の海外M&A(買
収・合併)が広がる中、保険各社は買収対象の評価を慎重に見極める姿勢を強め
ている。

 新興国などの成長市場取り込みと保険リスク分散のため、各社とも海外展開の
拡大を急いでいるが、入札企業の競合や売り手の買いあおりで買収案件の価格が
高騰するケースもある。案件によっては「高値づかみ」のリスクも指摘されてお
り、日本勢は応札での過熱した価格競争に距離を置こうとしている。

 「ものすごい金額が飛び出した」──。英HSBC<HSBA.L>傘下の損害保険
事業売却をめぐり、落札額として10億ドル(約760億円)という予想金額が
浮上、複数の保険会社の関係者から驚きの声が上がった。あまりに高額だとして
「売り手側の買いあおりではないか」(損保関係者)との憶測も出ている。

 HSBCにとどまらず、各国の金融コングロマリットの間では、世界経済の不
透明感や金融規制強化の流れを受けて、非中核事業の保険会社を売却する動きが
広がっている。海外展開を急ぎたい日本勢としては格好の買収対象だ。しかし、
有望な案件には日本の保険会社同士が競合するケースが多く、「当初の想定以上
に価格が高騰する事例が出ていた」(損保関係者)という。

 さらに、売り手側による「買いあおり」も指摘されている。日本勢が入札に参
加すれば値が吊り上がるとの思惑から、アジア地域の保険会社買収を勧める動き
が強まっているとされ、「日本勢をカモと見る向きもあるようだ」(損保幹部)
との声すらある。

 買い物件としての価値が価格に見合うとも限らない。銀行を中心とする金融コ
ングロマリットの傘下にある保険会社の多くは、銀行のネットワークを通じて商
品を販売している。このため、グループから切り離され単独で売却された場合、
従来の営業力を維持しにくくなるとの指摘もあり、買い手としてのリスクがとも
なう。

 関係筋によれば、HSBCの損保事業売却で、欧州勢と並んで打診を受けた東
京海上ホールディングス<8766.T>やMS&ADインシュアランスグループホー
ルディングス<8725.T>傘下の三井住友海上火災保険などは、12日に締め切っ
た1次入札に応じたもようだが、「高値づかみはしない。じっくり内容を見極め
る」(関係者)と過度の競り合いには応じない構えだ。

(ロイターニュース 平田紀之、浦中大我)


2011.10.06 「三井住友海上あいおい」「NKSJひまわり」営業開始

「三井住友海上あいおい」「NKSJひまわり」営業開始

 大手損害保険グループのMS&ADインシュアランスグループホールディング
スは3日午前、三井住友海上あいおい生命保険の合併記念式典を東京都中央区の
日本橋本社で開いた。1日付で合併、3日から営業開始した。

 新会社は三井住友海上きらめき生命保険とあいおい生命保険が合併して誕生し
た。保険料収入は2社の単純合算値で3519億円(2011年3月期)。新会社の新契
約高の順位は生命保険業界10位となる。

 一方、NKSJホールディングス傘下の損保ジャパンひまわり生命保険と日本
興亜生命保険も1日に合併して「NKSJひまわり生命保険」が誕生。3日に営
業を開始した。昨年度の新規契約高でみると、業界7位。午前11時からの合併記
念式典で、松崎敏夫社長は「マーケットで存在感を示したい」と述べた。

(日経新聞)

2011.09.30 独アリアンツ、日本の生保事業撤退 変額年金が不振

独アリアンツ、日本の生保事業撤退 変額年金が不振

 欧州最大の保険会社アリアンツ(本社ミュンヘン市)は日本の生命保険事業か
ら事実上撤退する。2012年1月1日付で新規の契約募集を停止し、既存の契約の
管理に特化する。日本の株安・低金利が長引き、主力の変額年金保険の販売が低
迷していることが背景にある。欧州債務危機が深刻になるなか、不採算事業の整
理を急ぐ。

 アリアンツ生命保険は銀行窓販で一時払い変額年金保険を中心に販売してきた。
8月末の保有契約件数は3万5千件。10年度は新規契約1万7千件、保険料収入
1275億円を確保したが、今年度に入ってから販売が大きく落ち込んでいた。

 変額年金保険は運用が好調なら受取額が増える一方、最低でも払い込んだ保険
料総額は受け取れる「元本保証」が特徴だ。ただ運用環境が悪くなれば生保によ
る穴埋めが増える。低金利と株安が長引き、黒字転換の見通しが立たないことか
ら新規募集の停止に踏み切る。既存の契約内容は維持し、契約者への影響は軽微
だ。

 8月末の従業員数は233人。保険金支払いなど既存契約の管理に必要な人員は残
すが、勧奨退職などで一定の人員削減に踏み切る見通し。アリアンツ火災海上保
険などグループ5社の日本での事業は継続する。

 外資系生保を巡っては、米ハートフォード生命保険とオランダのアイエヌジー
生命保険が09年に日本での変額年金保険の新規販売を停止。アイエヌジー生命は
販売を再開したが、ハートフォードは事実上撤退した。10年には英ピーシーエー
生命保険も撤退した。

(日経新聞)


2011.09.26 アジア太平洋地域の富裕層・中間層の保険に対する意識調査の結果は?

アジア太平洋地域の富裕層・中間層の保険に対する意識調査の結果は?

■ 調査の概要

 アイエヌジー生命保険は、「ING投資家心理ダッシュボード調査」の結果を発表
した。「ING投資家心理ダッシュボード調査」とは、INGグループ保険事業のアジ
ア太平洋地域部門であるINGインシュランス・アジア・パシフィックがアジア太平
洋地域の投資家に向けて行った調査である。

 今回は、通常調査する行動パターンのほかに、日本、中国、香港、インド、韓
国、マレーシア、タイの富裕層と中間層が保険商品・購入に関わる行動パターン
についても調べた。

■ 調査の主な結果

 生命保険商品に求めるリターンに関する調査では、日本の富裕層・中間層共に
4割程度の人が元本割れのリスクを望まないと回答した。これに対し、他の6地域
の人で元本割れのリスクを望まないと回答したのは20%未満であった。

 1年前と比較して今の生活水準を守る必要性が高くなったかとの質問については、
日本と香港以外の5地域では8割以上の人が「はい」と回答しているが、日本で
「はい」と回答したのは7割弱、香港では7割程度であった。

 今の生活水準を守る必要性が高くなった理由としては、特に日本と韓国では政
治情勢の不透明さが多くみられた。香港、マレーシア、タイでは重症疾患による
予測しなかった医療費の発生を挙げている人が多くみられた。

 その他、「現在、加入している保険の保障の程度」、「過去12ヶ月に加入した
生命保険の数」、「過去12ヶ月に加入した生命保険の内訳」、「東日本大震災に
よる投資意欲への影響」について調査している。

     ◇           ◇           ◇

アジア太平洋地域の保険に対する調査結果を発表
http://www.ing-life.co.jp/ing/image/20110921.pdf

(保険市場タイムズ)

2011.09.12 日本版401k、導入10年の試練 老後の安心に暗雲

日本版401k、導入10年の試練 老後の安心に暗雲
意識向上に課題、3つのリスク鮮明に

 確定拠出年金(日本版401k)導入から10年、400万人がこの制度を利用してい
る。自分の運用成績次第で、将来の年金受取額が変わってくる仕組みだ。しかし、
加入者は3大リスクに苦しみ、投資教育に熱心でない企業や従業員も多い。従来
の確定給付年金も苦境が続いており、老後の安心は見通しづらくなっている。

     ◇           ◇           ◇

 自分の運用成績によって年金の受取額が変わる日本版401kが10月、導入から1
0年を迎える。加入者数は年々増え7月末に400万人を超えた。サラリーマン全体
の12%が加入している計算で、東証1部上場企業に限れば、導入率は34%(野村
資本市場研究所調べ、4月末、他の企業年金との併用含む)に達した。だが制度
の急速な普及の裏側で、加入者の「3大リスク」も鮮明になってきた。

 普及の背景にあるのが企業の運用難と会計基準の変更だ。格付投資情報センタ
ー(R&I)によると、将来の給付額があらかじめ決まっている確定給付型の企
業年金は、過去10年で5年、運用利回りがマイナスになった。年金積み立て不足
が膨らむなか、費用処理を迫られた企業が飛びついたのが401kだ。401kなら企
業は月々決まった額の掛け金だけ負担すればよく、追加負担が生じなくなるから
だ。

 年金運用のリスクを、企業が社員に移転する形で普及した401k。加入者はどん
なリスクを負っているのか。

 〈塩漬けリスク〉意外な盲点がこれだ。転職や退職に際し、それまで積み立て
てきた年金資産を転職先の401kや、個人型401k(加入資格があるのは自営業者
ら)に移せるポータビリティーは401kの特徴。だが利用に一定の条件があること
が10年たってもあまり周知されていない。このため掛け金を追加拠出できなくなっ
たうえ、積み立てたお金を何十年も引き出せなくなった加入者が続出している。

 脱サラで自営業者になった場合、個人型への加入手続きをすれば、掛け金を追
加拠出しながら運用を続けられる。

 ところが専業主婦や公務員になって個人型に移った場合は、掛け金を追加でき
ず、これまで積み立てた年金資産の運用指示しかできなくなる。転職先の企業に
確定給付型の企業年金があり、401kがない場合も同じだ。残高が50万円以下など
一定の条件を満たさないと、60歳になるまで積み立ててきたお金も引き出せない。

 より制約を受けるのが、退職後6カ月以内に個人型などへの加入手続きをしな
かった場合だ。年金資産は自動的に現金化され国民年金基金連合会に移されるの
で、追加拠出どころか、運用指示すらできなくなる。しかも自動移管時に3150円、
その後も毎月50円の手数料が徴収される。自動移管者は後を絶たず3月末で約26
万人、移管額は計約560億円にのぼる。

 〈安全偏重リスク〉401k加入者の年間の利回り分布は3月末時点で、0~1%
に集中している。加入者の多くが定期預金や保険商品といった元本確保型の商品
で運用しているためだ。「運用商品を変えたいが、会社が用意した商品が30種類
近くあり、どれを選んだらいいかわからない」(大手IT=情報技術=企業に勤
める27歳の男性)という声は圧倒的に多い。

 一般に企業は、401kを導入する際に想定利回り(加入者がこれぐらいの利回り
で運用するだろうという期待値)を設定し、それを前提に逆算して毎月の掛け金
額を決める。平均的な想定利回りは2%程度だ。仮に毎月1万円の掛け金を30年
間運用(掛け金の総額は360万円)すると、運用利回りが2%なら30年後の資産残
高は493万円になる。これに対して3年物定期預金の利率0.05%で運用し続けたら、
30年たっても363万円にしかならない。

 想定利回りを高めればもちろん、元本割れリスクもその分高まる。市場が先行
き不透明ななか、安全志向が強まるのは無理もない面があるが、ファイナンシャ
ルプランナー(FP)の菱田雅生氏は「退職後の必要額を把握したうえで、預金
と他の運用商品のバランスを考えた方がいい」と指摘する。

 〈掛け金の減額リスク〉「掛け金を給与の一定率と定めている外資系企業では
リーマン・ショック直後、給与と一緒に掛け金も大幅にダウンする社員が相次い
だ」(タワーズワトソンの浦田春河ディレクター)。掛け金額の決め方は企業ご
とに異なるが、場合によっては給与と年金原資が同時に減るリスクを加入者は負っ
ている。

■ 採用企業の半数「社員任せ」

 401kの導入企業は7月末で1万5000社を超えたが、社員向けの投資教育が十分
行き届いているとは言えない。

 「セミナー形式の継続的な投資教育は難しい」。高砂熱学工業の担当者は打ち
明ける。同社は2006年3月に確定給付型の企業年金と併用で401kを導入した。全
国に拠点があり工事現場で働く社員も多いため「1カ所に社員を集めるのは容易
でない」。

 企業年金連合会の調査によれば、401kの導入企業の55%が「継続的な投資教育
をまだ実施していない」という。導入後、ざっと半数の企業が「あとはよろしく」
とばかりに社員任せにしている様子がうかがえる。継続教育を支援する確定拠出
年金教育協会の斎藤順子代表は「401kへの取り組みは、社内の担当者の熱意次第
という会社が多い」と嘆く。「担当者は人事や総務など別の仕事と兼務するのが
一般的で、『401kは何もしなくていい』と社内で言われている担当者もいる」

 一方で、「笛吹けど踊らず」のケースも目立つ。

 双日は東京と大阪で年に1回ずつ、社員向けに投資セミナーを開いている。相
場の分析や運用商品の解説などテーマは多彩。毎月1回、運用商品別の騰落率や
資産配分動向を社員に知らせ、個別相談も常時受け付けている。ここまで力を入
れるのは「退職金に占める401kの割合が7割に達しているのに、社員の意識が低
いため」(人事総務部)。3月末の加入者2189人のうち51%が元本確保型の商品
だけで運用しており、しかもその大半は自分で運用商品を指定せず、自動的に1
年物の定期預金で運用している人だという。無関心層の意識を高めるのが課題だ
が、セミナーの参加者は東京と大阪を合わせても100人に満たないなど、成果はな
かなか見えてこない。

 04年4月に401kを導入した大手家具メーカーも社員の関心の低さに悩む。「ポ
ートフォリオの作り方」や「追加商品の説明」など年に1回程度、テーマを変え
てセミナーを開いているが、参加率は加入者の10%以下。一部の加入者からは
「理屈はいいから、どうしたら運用収益がプラスになるのか教えてほしい」と、
いらだちまじりの本音も寄せられている。

 リコーは4月から、新規の加入者に必ず運用商品を選択させる仕組みを採用し
た。これまでは資産額ベースの3~4割が、自分で商品を選択せずに1年物の定
期預金での運用になっていた。401kを導入した翌年の05年から毎年10回以上、投
資セミナーを開催してきたが、関心のない人に訴える難しさを実感。「商品選択
を必須にし無関心層を入り口で減らす」(リコーグループ企業年金センター)こ
とにした。

 片山化学工業研究所(大阪市)は企業も社員も意識が高い珍しいケースだ。会
社が定期的に開くセミナーへの参加率は6割近く、元本確保型の商品だけで運用
する人はわずか1割程度。「今後、年齢別の投資教育などを充実させ、社員に関
心を持ち続けてもらうよう努めたい」(総務部)という。

 松本裕子、宮本岳則、山崎良兵、川上穣(ニューヨーク)が担当した。(日経
ヴェリタス2011年9月11日付)

(日経新聞)

2011.09.07 新閣僚に聞く 小宮山洋子厚労相「パート労働者に厚生年金拡大」

新閣僚に聞く 小宮山洋子厚労相「パート労働者に厚生年金拡大」

 --年金の変更届を出し忘れた専業主婦の救済法案はどうするか

 「次の臨時国会に法案を提出できるようにとりまとめを急ぐ」

 --サラリーマンの夫がいる主婦が年金保険料を納めなくても、払ったとみな
される第3号被保険者制度自体については

 「本当におかしな仕組みだ。パートの方や専業主婦は、説明すると、払える範
囲で払いたいという人が、私が聞いた範囲ではほとんどだ。丁寧にやれば理解は
得られる。パート労働者に厚生年金の適用範囲を広げることなど総合的に考えな
ければならない。女性の賃金が男性よりもかなり低いこともあわせて考えなけれ
ばならない」

 --厚生年金の適用拡大には反対もある

 「超少子高齢社会の中で、働ける人が働かなければ中小企業だって成り立たな
くなる。世帯単位からもっと個人単位になっていくことが男女共同参画のあり方
にもふさわしい。今、大学を出る人は女性のほうが多い(注・文部科学省による
と、平成22年度の大学卒業生は男性31万人、女性24万人)のに能力が生か
されていない」

 --専業主婦を税優遇する配偶者控除は

 「女性も男性も機能しないと、これからの世の中はもたない。税制とか社会保
障制度がバリアを持って足を引っ張ることはあってはならないので、現実的にしっ
かりと変えていきたい」

 --野党時代から選択的夫婦別姓に積極的だった

 「本当の民主党的な男女平等の社会になっていく試金石だ。NHK解説委員の
ころから解説しているし、本も書いているので私の考え方は言うまでもないが、
仕事をしている人が途中で姓を変えることで不自由になるし、自分とずっと一緒
に生きてきた姓を途中で変えるのは耐えられないこともある。鳩山政権のときに
女性の大臣(福島瑞穂元男女共同参画担当相)が『やります』って、根回しをし
ないうちにやったためにたたかれた。じっくりと腰を据えて必ず前に進められる
ようにしたい」

(産経新聞)


2011.09.05 保険に「中立・公正なアドバイス」はない

保険に「中立・公正なアドバイス」はない

保険コンサルタント 後田亨

 「保険のプロが中立公正なアドバイスを行います」。ある銀行で手に取った、
保険と資産運用に関する小冊子に書かれています。「無理なことは言わない方が
いいのに……」と思います。私自身、10数社の保険を扱う代理店に勤め始めた頃、
同じような発言をしていたことを、後悔しているからです。

 実際、保険業に携わる者のアドバイスに、中立・公正なものはないと思います。
アメリカンファミリー生命保険(アフラック)が開示している、あるアンケート
結果を例に引きます。2010年2月から12月にかけて行われた「がん」に関するイ
ベントの来場者を対象に行われたものです(有効回答数は約1万3000件)。

 「交通費や入院なども含め、がん治療全般にどれくらいのお金がかかると思う
か?」という質問に対するがん経験者の回答は、「50万円程度」が最多で約36%、
「100万~200万円程度」約50%、「300万円からそれ以上」約12%、「その他」約
2%となっています。

 イベントに参加できないくらい厳しい状況にある方の回答が含まれていない可
能性などを想像してみる必要を感じるものの、「がん保険」で準備すべき保険金
額を考える場合、参考になる情報だと思います。

 私は、50万~200万円程度の回答が9割近いことから、200万円を1つの目安に
したいと考えます。どこまでも安心を求めていくと、保険料が高くついて仕方が
ないからです。

 一方で、300万円を超える負担を余儀なくされている人たちが、約5%存在する
ことを最重要視する同業者もいます。相対的に少数派であるとしても、経済的負
担が重い人たちの役に立たなくて何の保険だ? という考え方です。

 双方の意見のどちらが正しいのか、私にはわかりません。ただ、それぞれの考
え方の違いが明らかになるのはいいことだろう、と思うばかりです。そして、こ
の2つの見解を踏まえたうえで、「中立公正なアドバイス」があるとしたらどん
なものだろうかと考えます。両方の考え方に、「入らなくてもいいのではないか」
という視点を加えて、3つの選択肢を等しく語ることでしょうか。

 しかし、お客様の相談相手が、複数の選択肢について、均等に時間と労力をか
けてトーンを変えずに語った場合、お客様には嫌われてしまうでしょう。一般に、
お客様が求めているのは、素早く提示される「結論」だからです。

 また、現実問題として、ひたすら中立公正を心掛ける売り手は、保険業界に残
ることができなくなる可能性が大です。「相談は何度でも無料」としている業態
では、限られた時間内に、どれだけ新規契約が獲得できるかが勝負です。出店や
人材確保等にかかる先行投資や運転資金のことを思えば当然でしょう。

 銀行も来店型ショップも、「結論」を提示しないために、いつまでたっても
「成約」が見込めない専門家を、雇い続けることはできないはずなのです。むし
ろ、マニュアル通りに、淡々とお客様の関心が高い商品を勧めることができる人
材が重宝されても、不思議ではありません。

 保険金額設定の件は、中立公正が考え辛いことの一例にすぎません。ほかに販
売手数料の問題もあります。ほぼ同内容の提案をする場合でも、保険会社によっ
て手数料率が異なります。キャンペーン期間中は割増料率が採用されることなど
も日常茶飯事です。類似商品で報酬の差が歴然としている場合など、最初から手
数料が高い商品だけを勧める者がいてもおかしくないでしょう。

 このように、営業現場の実情からすると、中立公正が「ありえない理由」なら
ばいくらでも挙げられる、というのが正直なところではないかと感じます。

 アドバイスを求めるお客様は、素朴に、それぞれの思惑を持った面談相手の
「私見」を聞くつもりでいた方が、間違いが少ないはずです。

     ◇           ◇           ◇

後田亨(うしろだ・とおる)

 1959年生まれ。1995年に日本生命に転職。2005年より(株)メディカル保険サ
ービス取締役。2007年に上梓した「生命保険の『罠』」(講談社+α新書)で保
険のカラクリを告白、業界に波紋を広げる。以後、主に執筆・セミナー講師・個
人向け有料相談を手掛ける。近著に『がん保険を疑え!』(ダイヤモンド社)。
このほか「“おすすめ”生命保険には入るな!」(ダイヤモンド社)、「生命保
険のウラ側」(朝日新書)。メディア掲載多数。

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(日経新聞)

2011.08.30 生保の開示情報を読み解く冊子

生保の開示情報を読み解く冊子

 生命保険協会(東京・千代田)は、生命保険会社の主な経営指標や資産運用、
損益計算の特徴、リスクへの備えなどを解説した冊子を4年ぶりに改訂し、2011
年版の配布を始めた。生保の「ディスクロージャー誌」を読み解く「虎の巻」と
して役立ててもらうのが狙いだ。

 生保各社は毎年7月末までにディスクロージャー誌を発行している。既存の契
約者やこれから保険に入ろうと考えている人が、各社の経営状況や商品内容など
について幅広い情報を集められる。ただ、一般企業との会計上の違いや専門用語
が多く、理解しにくいとの指摘もある。

 今回の改訂では、11年度決算から計算基準が厳しくなる「ソルベンシー・マー
ジン比率」(経営の健全性を示す指標)について説明。算出式の分子の内訳など
を盛り込んでいる。用語解説も一段と拡充している。

 「虎の巻」は同協会本部と全国の事務所(53カ所)で無償配布しているほか、
ホームページでも公開している。はがきなどで申し込み、取り寄せることもでき
る。

(日経新聞)

2011.08.09 日本の金融システム「影響は限定的」 金融庁見解

日本の金融システム「影響は限定的」 金融庁見解
大手銀、米国債保有リスク圧縮

 国内の大手金融機関は米国債格下げをある程度予想して米国債の保有リスクを
圧縮しており、今回の米国債格下げでの動揺は小さい。金融庁も「日本の金融シ
ステムに与える直接的な影響は限定的」とみている。3メガバンクの米国債残高
は6月末時点で7兆円強と保有する有価証券全体の数%にとどまる。

 三井住友銀行は4~6月期に外国債券の保有残高を約3兆1000億円減らした。
その大半が米国債とみられ、米国債の6月末時点の残高は約1兆4000億円。

 三菱UFJフィナンシャル・グループは6月末時点では約3兆7000億円の米国
債を保有していた。7月に入って「そのうち6割は売却した」(幹部)という。
みずほフィナンシャルグループも6月末時点の保有残高は傘下2行合算で2兆円
まで圧縮した。

 日本生命保険と第一生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険の大手生保4
社は今年3月末時点で合計7兆~8兆円の米国債を保有していたもようだ。各社
とも当面は運用方針は変更しないが、一部から「運用先の分散などは先行きの課
題となる」との指摘も漏れる。

 金融庁は「米国債の格下げが直ちに邦銀などの経営問題につながることはない」
と受け止める。ただ、邦銀の取引相手である米欧銀などは大量の米国債を保有し
ていることから、格下げが世界的な金融システムに及ぼす影響を注視する考えだ。

(日経新聞)

2011.08.01 東日本大震災の地震保険支払額1兆0967億円…7月28日時点

 

東日本大震災の地震保険支払額1兆0967億円…7月28日時点

 日本損害保険協会は東日本大震災関連で支払った地震保険金の総額が28日時点
で1兆0967億円になったと発表した。

 支払件数は63万6705件。前回、実績を公表した20日時点と比べると支払額は1.
5%、支払件数は2.4%それぞれ増えた。地区別の支払額では宮城県が5198億円
(支配件数23万5841件)と最も多く、全体の47.4%を占めている。

 次いで福島県の1416億円(同6万8772件)、茨城県の1397億円(同9万2947件)
と続く。28日時点での地震保険に関する調査依頼や契約内容などの問い合わせ受
付件数は75万6545件。このうち実際に保険金を支払ったり、調査しても支払に至
らなかったケースや問い合わせが解決したものなど合わせた調査完了件数は72万
7201件となり、96.1%が対応を終えたことになる。

(レスポンス 小松哲也)

 

2011.07.29 菅首相 唯一の「延命」というポリシー

菅首相 唯一の「延命」というポリシー

 「金融税制の面では要望が通しやすくなった。裏を返せば、専門性がなく、ポ
リシーもないということだろう」

 「野党時代から法案の説明に行ってもどうするのか、なかなか決まらなかった。
毎回、とにかく党としての意思決定をしてくださいと言わなければならなかった」

 民主党をどう思うか、という問いに金融機関関係者と元官僚から返ってきた言
葉である。民主党の体質は、この2つのコメントに集約されていると言っていい。
菅直人氏の首相退陣時期ばかりに焦点があたっているが、菅氏に代わって民主党
の誰が首相になろうとも、この体質が変わらない限り、これまでと同じような混
乱を繰り返すことになるに違いない。民主党の最大の欠点は政権を引っ張るリー
ダーの不在であり、それゆえに生じるまとまりのなさである。

 「震災後の日本を任せたい有名人は誰か」-。仏保険大手アクサグループのア
クサ生命保険が6月、インターネットを通じて20~59歳の1万人を対象に実
施したアンケートの項目の一つだ。上位陣の顔ぶれを見ると、トップはタレント
で映画監督の北野武さん、2位は小泉純一郎元首相、3位は石原慎太郎東京都知
事、4位は孫正義ソフトバンク社長、5位は橋下徹大阪府知事。共通するのは、
歯にきぬ着せぬ物言いで現状を打破しようとする馬力とリーダーシップを感じさ
せるところであろうか。

 このアンケートを見て個人的に注目したのは、政界を引退して久しい小泉氏が
いまなお、高い人気を維持している点だ。小泉政権の政策を取材していたころを
振り返ると、小泉氏が民間議員4人と主要閣僚で構成する経済財政諮問会議をリ
ーダーシップを発揮する舞台装置として活用していたことが印象に残っている。
ここで「首相指示」を出し閣僚を動かす。抜本的な不良債権処理、郵政民営化、
国と地方の税財政を見直す三位一体改革…。一連の構造改革には賛否両論あった
が、少なくともこの国をどういう方向に導きたいのか、という信念は感じた。

 今の民主党に欠けているのはまさにこの点だろう。ましてや菅氏。今や「唐突」
「思いつき」が代名詞になっている感があるが、小泉氏のお家芸だった「サプラ
イズ」を演出しようとしているかのようにも見える。ただ、小泉氏と違うのは、
そこには何のポリシーも感じられないということだ。唯一感じるとすれば、それ
は「延命」というポリシーだけである。(ウェブ編集長 吉田憲司)

(産経新聞)

2011.07.21 「日本無視につながる危険すらある」 生保協会長が菅政権批判

「日本無視につながる危険すらある」 生保協会長が菅政権批判

 生命保険協会の筒井義信会長(日本生命保険社長)は15日、就任記者会見で
菅政権の評価について問われ、「停滞というか空白というか、非常に深刻だと受
け止めている。国民の政治への不信だけではなく、海外の不信感、極端に言えば、
日本無視につながっていく危険すらある」と批判した。

 また「企業も政治の不安定なリスクを考えて意思決定をしなくてはならない。
やや異様な状況」と述べた。

 一方、東日本大震災に関連する死亡保険金の支払いは、14日現在で987億
円(1万2520件)に上った。そのうち行方不明者分の支払いは22億円(2
36件)。

(産経新聞)

 

2011.07.13 損保、海外で稼ぐ 大手の保険料収入、5年で8割増 成長市場の新興国重視

損保、海外で稼ぐ 大手の保険料収入、5年で8割増 成長市場の新興国重視

 大手損害保険会社が海外市場の開拓を進めている。2012年3月期の海外での収
入保険料は合計7421億円と5年間で8割増え、過去最高を更新する見通し。利益
面では全体の3割を海外で稼ぐ。少子化で国内市場が縮小傾向にある中、成長が
続くアジアなどの新興国に収益基盤を置く戦略が鮮明になっている。

 東京海上ホールディングスと三井住友海上火災保険(MS&ADインシュアラ
ンスグループホールディングス)、損害保険ジャパン(NKSJホールディング
ス)の3損害保険の数値を集計した。

 3損保の今期の海外での正味収入保険料の見通しは前期比11.3%増加。全体に
占める割合は14.6%と5年間で6.3ポイント上昇する。海外での純利益予想は前期
比2.8倍の計730億円。5年間で65.9%増え、全体に占める割合は31.8%に達する。
全体の保険料は5年前と比べると1%増、純利益は同6%増にとどまるのに対し、
海外部門の成長は際立つ。

 先行するのは東京海上だ。08年には英保険会社や米中堅損保を相次ぎ買収。欧
米アジアの3拠点で事業分散する戦略を採る。

 三井住友海上はアジアを中心に積極展開する。最近では生保事業にも積極的で、
インドネシアのシナールマス生命に出資。今期の海外純利益のうち、7割を超え
る134億円をアジアで稼ぐ体制を整える。

 損保ジャパンは10~11年にかけ、シンガポール、トルコ、マレーシアの3損保
を相次いで子会社化。NKSJとして12年度までに計2000億円を海外事業に投資
する方針で、新興国を中心に次の案件を探している。

 各社が海外進出に力を入れるのは国内市場が振るわないため。例えば保険料収
入の約5割を占める自動車保険の収入は、若者の車離れや保険料が割安なコンパ
クトカーの普及などを映して長期的に減少が続く。

 新興国市場は潜在成長力はある一方、市場規模は現時点では小さい。先に進出
している欧米の保険大手や地場企業との競合が激しく、中長期の戦略が必要だ。

(日経新聞)

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